サマリー
◆本稿では、小売業界や個人消費の動向について、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年と比較し、2021年においてどのような変化が起こったかの分析を行った。
◆経済産業省発表の月別商業販売額から小売業界を見ると、2021年に入り2019年の水準まで販売額が戻っている月がありつつも、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の影響下にあることが分かる。主な業態別では、各種商品小売業、織物・衣服・身の回り品小売業、自動車小売業がコロナ前と比較して厳しい結果である一方、飲食料品小売業、機械器具小売業や無店舗小売業は比較的堅調に推移しており、生活者のライフスタイルの変化を一部示唆する結果とも言えよう。
◆個人消費支出では、商品へのトータル支出額はコロナ前から大きな変化が起きていない一方、サービス支出額は大きく減少しており、2021年においてもコロナ前の水準とは依然開きがある。商品のカテゴリー別支出額を見ると食品類や家電類、医薬品類や生活雑貨類への支出額がコロナ前より増加している一方で、化粧品類や衣料品類への支出額は減少しており、個人消費の内訳が大きく変化している様子が分かる。
◆新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた小売業界、個人消費共に最悪期を脱した感があるが、コロナ禍に端を発した新たなライフスタイルが定着していく可能性も否定できない。今後の事業戦略を立案する上では、マクロ環境の変化をタイムリーに捉え、それに対応した一手を考えていく必要があろう。
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