ミャンマーではテインセイン政権が2011年に誕生して以来、政治経済をはじめ様々な分野において改革が進行している。しかし前政権下で停滞した経済改革を一気に進めようとしているものの、政策立案・実行を担う中央省庁の官僚の人数が過去3年間で大幅に増えたわけではない。このため、当局者による政策立案をはじめ実際の導入までの一連のプロセスが思い通りに前進しない場面が散見される。かかる状況下で改革を後押ししているのが、各国政府や国際機関による技術支援プログラムである。従前の欧米諸国による経済制裁が部分的に解除され、新たな支援享受の障害となっていた累積債務の多くが免除されたことで、支援国・機関による技術支援が提供されやすい環境が整ってきたからだ。
金融セクター発展に資する技術支援も同様に、件数のみならず実情に合わせた質の高いプログラムが足元で増えてきている。主にミャンマー中央銀行または財務省を対象にした技術支援で、監督機能の強化、政策策定プロセスの整備、市場運営管理ノウハウ、金融リテラシーの向上など当局者の養成や関連機関のキャパシティビルディングに根差したものが多い。ただ現状、必ずしも効果的な技術支援が実行されているとは限らない。慢性的な人材不足にも関わらず以前と比べ格段に増加した仕事量の対応で日々追われている中で、今年はアセアン議長国としての新たな業務も加わり、肝心の受益者が支援を通じた知識やノウハウを消化しきれずにいる。他方ドナー側も同時並行で進む他の支援プログラムの内容把握が遅れ、対象者やスコープ策定時に内容が重複する懸念がしばしば起きる状態にあった。
そのような状況を受けて、ミャンマー中央銀行主催の第1回金融セクター技術支援協議会議が去る4月末に開催された(※1)。同会議出席者にはホストであるミャンマー金融当局者のほか、支援側からはIMF・世銀やADBなどの国際機関に加え、周辺アセアン諸国や欧州の支援機関など現時点で技術支援プログラムを実施している機関が揃い、わが国からは独立行政法人国際協力機構(JICA)、金融庁(FSA)が出席した(図表1)。

初の全体会議では上述のような問題を解消することを目的に、受益者とドナー機関が一堂に会して有益な情報交換と課題共有が実現できた。IMFのプレスリリースにもある通り、今後も同様の会合を通じた情報交換の必要性が確認された。当面の間、年2回のペースで会合が開催される見通しである。ミャンマーにおける金融セクター改革を推し進めるにあたり、さらなる効果的な技術支援が海外の支援機関より提供されるようになることが期待される。
(※1)IMFプレスリリース
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