
まずBE利用量をBEの利用形態にあわせてブレイクダウンする。BEはガソリンと混ぜ合わせられて「ガソホール」として販売されており、それぞれオクタン価によってハイオク(※3)とレギュラーの2種類が存在する。下図でハイオクとレギュラーそれぞれにおけるガソリンとガソホールの利用量を示す。


ハイオクではガソリンからガソホールへの移行が一巡している。すなわちハイオクE10(BEの混合比率が10%)が普及しハイオクガソリンはほとんど利用されていない。さらなるBE普及を促すためにはBEの混合率を高めたE20(同20%)やE85(同85%)の普及が求められるが、そのためには利用者による専用車購入が必要となる。E20やE85の小売価格抑制、専用車購入の優遇といった財政負担が必要になるが、天然ガス車両(NGV:Natural Gas Vehicle)やバイオディーゼルといった他の燃料との競合にさらされている。

次にレギュラーガソリンをみる。ハイオクとは異なり、レギュラーガソリンからレギュラーE10への移行があまり進んでいない。2007年から2009年にかけてはレギュラーガソリンからレギュラーE10への移行が進んだものの、そのトレンドは続かず、依然としてレギュラーガソリンの消費量がレギュラーE10を上回る。利用者の意見では、燃費の悪さやパワー不足などのデメリットが指摘されている。燃費の悪さを差し引いて、上表のように熱量あたりの単価で比べても4%の価格差が存在するが、パワー不足などのデメリットとのトレードオフでレギュラーガソリンが一定の支持を得ているようだ。レギュラーE10への移行を押し進めるためには、より一層の価格差が必要となろう。
以上、NGVやレギュラーガソリンとの比較から、BEのコスト競争力強化が問われていることが分かる。そのための具体策として2点挙げる。第一に、BE生産のコスト抑制によってコスト競争力を強化する。現在、税制優遇や石油基金によってBEには価格インセンティブが付されているが、これを除くとBE価格はガソリン価格とほぼ横並びである。BE生産をタイの産業として確立させるためには、まずはガソリン価格を安定的に下回るコスト競争力を確保することが重要である。例えば、原料作物の高収量品種の開発や栽培技術向上による単収増加といった原料作物価格の抑制、あるいは発酵工程などの改善による高効率生産が求められよう。
(※2)USDA, “China- Peoples Republic of, Biofuels Annual, 2011 Annual Report”, GAIN Report Number 11039, 2011
(※3)タイのガソリン・ガソホールはオクタン価91と95の2種類が存在する。本稿では前者をレギュラー、後者をハイオクと呼ぶこととする。
(※4)もちろん実際の燃費はこのような単純な熱量計算とは異なっており、実証実験などにより燃費の計測が試みられている。
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