- モノバンク・システム: 計画経済の金融システムの最も理想的な形はモノバンク・システムといわれるもので、国家銀行1行が中央銀行業務も商業銀行業務も行う。実際には、国家銀行+若干の国営専門金融機関(長期信用・外国貿易等)の場合も多い。銀行・金融機関といっても、計画経済の財政の導管として機能するだけで、金融仲介機能は著しく未発達である。非効率な国営企業への補助金支出などから財政赤字が拡大して、財政赤字の貨幣化、そしてインフレーション(しばしばハイパー・インフレーション)となることが多い。
- 二層銀行制: 計画経済期の体制内改革として、国家銀行を中央銀行と商業銀行に分離する改革が行われる(国家銀行の都市部を工商銀行、農村部を農業銀行にする場合が多い)。しかし、創設された国営商業銀行は、たいていの場合、純粋な商業銀行ではなく政策金融機能が残されており、財政からの補助金を代替して国営企業に優遇融資を行い、そのため不良債権が累積することが良く見られる。
- 民間銀行の参入: 市場経済化により新規参入規制が緩められ、民間銀行(+外資系)の参入が認められる。しかし、国営銀行の規模の優位が続く場合が多い(反対に、不良債権は上記の理由により国営銀行の方が多いことが普通)。
- 政策金融の分離: 国営銀行改革として、国営商業銀行から政策金融を分離して、開発銀行等政策金融機関を創設する。
- 銀行システム以外の貯蓄・投資仲介のチャネルとしての資本市場の本格的な発展が始まる。

大和総研、『Russia newsletter』No.3, 2006年。
(※2) 中国の場合はベトナムより紆余曲折を辿った。中国は政治変動が大きく、左派が権力を握った時期はモノバンク・システムを採る傾向にあり、右派の場合は複数専門銀行制を採用してきた。
(※3)本段落の事実の部分は、IMF Country Report No. 07/291に拠る。
(※4)しかし、法貨rielには国民の信認がなく、現在も米ドルの方が通貨として使われている(ドル化)。カンボジアのドル化の程度は世界の中でも激しいものであり、このことが金融政策を著しく制約している。ドル化の問題は非常に重要であり、稿を改めたい。
(※5)ロシアになってから、急進的な自由化政策を採用したため(元)国営銀行であっても破綻した銀行が多々出た。
(※6)例えばIMFは、”Addressing the acute shortages of human resources and lack of technical capacity is of paramount importance and very high on the NBC’s agenda”と指摘している。IMF Country Report No. 11/45, 2011.
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