サーキュラーエコノミーに向けた取り組み

「廃棄物」の概念が存在しない経済へ

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  • コンサルティング第二部 コンサルタント 山本 一輝

サマリー

産業革命以降の急速な技術発展とイノベーションは人々の暮らしに豊かさをもたらした。一方で廃棄物を排出することを前提とした大量生産、大量消費の経済は有限である地球の資源を枯渇させると同時に、経済活動の過程で発生した有害物質は地球規模の気候変動の引き金になると考えられており、豊かさを得る副作用として地球に様々な悪影響をもたらした。

加えて地球の人口 は2050年には97億人まで増加すると予測されており、それに伴う食糧不足や、先述の資源の枯渇、環境破壊など、地球規模での対応を要とする問題が山積している。このまま突き進めば近い将来、現在の経済サイクルでは行き詰まり、地球全体で危機的な状況に瀕することとなるであろう。

その危機を回避するため国連をはじめとした各国際機関や各国政府はSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))を掲げ、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース))を設置するなど、全体的な方向性を示し現在直面する諸問題の解決に取り組み、地球環境への悪影響を食い止めようとしている。その解決策の1つとして、これまでの大量生産大量消費に伴う廃棄物の大量排出を行う従来の経済構造からの転換を迫られており、サーキュラーエコノミー(循環経済)への転換を先頭切って進める欧州各国をはじめ、世界各国でその打開に向けた動きは本格化しつつある。またそれは民間レベルでも広がりを見せており、国内外の様々な企業で取り組みが行われている。

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