2016年04月04日
サマリー
◆経営トップの選解任や後継者計画が注目されている。これらについては、現場の実務担当者から多くの課題が指摘される一方、関連するコーポレートガバナンス・コードの実施率は総じて高いという矛盾が目につく。
◆金融庁・東証のフォローアップ会議においても、CEOの選解任は上場会社にとって最も重要な戦略的意思決定であり、中長期的な観点から時間と資源をかけて取り組むべき課題として認識されている。
◆後継者計画は、直接には経営トップの後継者選定プロセスを指すが、筆者はこれに加え、企業が伝承を通じて次世代経営人材を育成するしくみとしてとらえるべきだと考える。選定プロセスでは、会議体の関わり方や外部招聘、伝承・育成では、経営理念、社内大学・経営塾、選抜型研修・戦略的異動について取りあげる。
◆経営トップの選解任および後継者計画は、自社の経営ビジョンや中長期戦略に沿って議論されるべきである。また、企業全体で後継者育成の連鎖が生じるしかけが求められる。
◆経営トップの選解任および後継者計画を重要な経営戦略と位置付け、主体的に関与し、適切に実行・監督していくことが取締役会の責務である。
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