サマリー
◆中国政府は2000年代初頭から省エネルギー・新エネルギー自動車として電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)とともに燃料電池自動車(FCV)の開発と産業化を支援してきた。このうち先行したのはEVであり、今や中国は世界一の自動車大国であるとともに年間100万台以上を出荷する世界一のEV大国ともなっている。一方、FCVは、出荷台数は毎年伸びているものの、大きな成長とは言えない。FCV、燃料となる水素ともに高コストであることが主な要因だと考えられる。
◆中国におけるFCVは大部分が商用車、特にバス、トラック等の中大型商用車であり、ユーザーの大部分が地方政府や公営事業者である。地域の新産業として水素・FCVを振興したい地方政府が、主に公共サービス用の中大型FCVを購入、需要を作り出してきた。
◆2019年以降、中央政府は水素・FCV政策を転換し、脱炭素を実現する有効な方策として水素とFCVに本腰を入れ始めた。2021年現在、水素・FCV政策の柱は、複数地域で構成するグループをモデル事業に選定し、地方政府主導で水素・FCVの技術開発、サプライチェーン構築を図ることである。各地で地方政府をメインプレーヤーとする水素・FCV産業圏がどのように発展するか、FCVについても世界最大の市場となる日は近いのか、関心が集まっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ASEAN諸国の高齢化とヘルスケア市場
2022年11月28日
-
越境ECが地方創生活性化のビジネス機会になる3つの理由
2022年11月17日
-
中国における学生起業家事情
起業は就職氷河期を生き抜く学生たちのベストシナリオとなるか
2022年08月23日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
消費データブック(2026/4/3号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年04月03日
-
英国でもESG投資と受託者責任の関係は混迷
年金基金のESG投資に関するガイダンス策定を定める法案が否決
2026年04月03日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
非財務情報は企業価値に寄与するか
非財務情報(人的資本・ガバナンス)を用いた企業価値への影響に係る定量的検証
2026年04月03日
-
生成AI時代の仕事を読む「時間差」の視点
2026年04月03日

