サマリー
◆公的年金の給付水準が中長期的に調整されることが見込まれる中、従業員の老後の所得保障として企業の退職給付制度が果たす役割は大きい。企業にとっても、退職給付を充実させることは、従業員の長期雇用や離職抑止を図る効果が期待できよう。
◆厚生労働省の調査によれば、2018年で8割以上の企業が退職給付制度を導入している。だが、従業員規模が小さい企業ほどその割合は低く、かつ、企業年金の導入割合も低い。特に、人手不足が深刻な中小企業こそ、近年整備された中小企業向けの制度を利用して、退職給付の充実に取り組む必要があるだろう。
◆近年は働き方の多様化が進み非正規雇用者などが増えてきた。老後の所得保障の充実は、多くの働き手からのニーズが高いはずだ。今後、企業に求められる退職給付の充実策は、職域でのiDeCo利用の促進や職場積立NISAの導入など、幅広く雇用者が利用できる制度の環境整備ではないか。
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