厚生年金のさらなる適用拡大はなぜ必要か

見直しの論点は従業員規模要件の緩和と就労調整する労働者への対応

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2019年04月22日

サマリー

◆短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大が進められている。背景には、短時間労働者の将来の所得保障への対応、働き方に中立的な制度とすることで働きたいと希望する人が働きやすくするという社会的な要請、がある。これまでの適用拡大により約40万人が新たに第2号被保険者となったが、政府はさらに適用拡大を進める方針だ。

◆今後の見直しの論点としては、第一に従業員規模要件の見直しが挙げられる。人手不足を背景に、企業にとっては人材の確保が喫緊の課題であり、中小企業ではそれがより深刻だ。短時間労働者を安価な労働力としてではなく貴重な人材として活用する動きが広がっており、企業規模で厚生年金の適用基準が違うことは望ましくない。

◆第二の論点は、労働者の就労調整の問題である。就労調整を行っている人々に対しては、被用者保険適用後の負担と給付の変化を正確に周知する必要があろう。

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