サマリー
2000 年に導入された介護保険制度は平成の時代に国民の間に定着したが、際限のない保険料の引き上げが続いているなど、長期的な持続性を損ないかねない多くの課題を抱えている。
これまでも介護保険制度は見直しが進められてきたが、給付範囲の見直しや利用者負担の在り方は引き続きの重要論点である。介護現場での生産性向上と人材確保、著増が見込まれる認知症有病者対策も大きな課題である。
さらに、「ポスト平成」の時代に本格的に取り組むべき課題の第一は、介護認定率や一人当たり給付額の地域差縮減である。介護予防の取り組みを推進しつつ、地域ごとの供給体制やサービス水準、それが被保険者の負担と見合っているかの「見える化」を行い、改革に取り組まなければならない。
第二の課題は、人数が増加していく要介護女性に向けた体制整備である。その意味は、介護保険の枠内での対応にとどまらず、女性が経済力を持てるようにする観点からの働き方改革を直ちに実行し、女性の社会参加率を向上させる方策を強力に打つなど、関連する分野を広く捉えた取り組みが介護保険の持続性を向上させる上でも重要になっていくということである。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
iDeCoは広がったのか-加入実態と残る課題
2026年4月加入者数395万人、12月制度改正に注目
2026年06月16日
-
高齢者医療費自己負担への資産勘案に関する主要論点の整理
『大和総研調査季報』2026年春季号(Vol.62)掲載
2026年04月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

