サマリー
2000 年に導入された介護保険制度は平成の時代に国民の間に定着したが、際限のない保険料の引き上げが続いているなど、長期的な持続性を損ないかねない多くの課題を抱えている。
これまでも介護保険制度は見直しが進められてきたが、給付範囲の見直しや利用者負担の在り方は引き続きの重要論点である。介護現場での生産性向上と人材確保、著増が見込まれる認知症有病者対策も大きな課題である。
さらに、「ポスト平成」の時代に本格的に取り組むべき課題の第一は、介護認定率や一人当たり給付額の地域差縮減である。介護予防の取り組みを推進しつつ、地域ごとの供給体制やサービス水準、それが被保険者の負担と見合っているかの「見える化」を行い、改革に取り組まなければならない。
第二の課題は、人数が増加していく要介護女性に向けた体制整備である。その意味は、介護保険の枠内での対応にとどまらず、女性が経済力を持てるようにする観点からの働き方改革を直ちに実行し、女性の社会参加率を向上させる方策を強力に打つなど、関連する分野を広く捉えた取り組みが介護保険の持続性を向上させる上でも重要になっていくということである。

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