サマリー
今後の高齢化を見通すと、遅くとも2020年代のうちに超高齢社会にふさわしい社会保障制度を構築しなければならない。賦課方式財政の下では、現役世代の賃金で実質化した社会保障給付をどう抑制するかが重要である。
本稿では、年金支給開始年齢引き上げやマクロ経済スライド、医療における自己負担割合の引き上げ、後発医薬品の普及などについて、マクロ経済との相互作用を考慮したシミュレーションを実施した。
それらの給付削減策や成長戦略の展開、消費税率の引き上げを見込むと、成長率はベースシナリオから0.2%pt程度低下するが、財政の持続性は回復する。必要な改革に挑戦すれば、超高齢化の中で成長を実現しつつ、社会保障システムを維持できる。ただし、完全な問題解決となるような政策を提示するのが難しいのも事実であり、日本の高齢化問題は深刻である。
超高齢社会では高齢者向け社会保障の全てを政府が担えない以上、民間部門の知恵を総動員して国民が直面するリスクを管理していく発想が求められる。政府による給付を抑制する必要があるならば、その抑制分を代替する民間の機能強化が必要だ。未来に対する責任として改革志向を停滞させてはならない。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
現役世代の保険料率は引き下げられるか
サービス維持との両立には、給付と負担の改革、DX/AX推進が不可欠
2026年09月02日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
iDeCoは広がったのか-加入実態と残る課題
2026年4月加入者数395万人、12月制度改正に注目
2026年06月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

