2018年04月23日
サマリー
近年、地域・文化圏といったコミュニティの中で流通する地域通貨への注目度が高まっている。地域通貨はこれまでにも世界各国で発行されてきた。日本においても、1990 年代以降、地域通貨が発行されてきたが、管理コストの負担や利用拡大が進まないといった課題から、発行停止となった事例が多い。
日本で近年発行された地域通貨の一部は、(1)地域金融機関が発行主体となっており、決済サービスに貸付なども加えた総合的な金融サービスを提供し得ること、(2)デジタル技術の活用が進んでおり、決済手段としての利便性を高めつつ管理コストを抑制し得ること、という2点において、過去の事例よりもサステナブルな仕組みになる可能性がある。
今後は、地域通貨のさらなるコスト抑制の方策としてブロックチェーン技術の活用や、ICO等の新たな地域通貨の発行方式の適切な運用が注目点である。こうした新たに登場した技術・仕組みを取り入れながら、地域通貨には、地域内の消費喚起や、地域内での資金の円滑な循環を実現し、地域経済・コミュニティの活性化を推し進める役割が期待されよう。

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