サマリー
地域間格差は拡大している印象を持たれやすいが、長期データで確認すると、全体的にはむしろ縮小する傾向にある。ただし、地域によって差はあり、愛知、三重、静岡、栃木、滋賀などでは東京との所得格差は縮小しているが、兵庫や大阪などの近畿は格差を拡大させつつある。
地域の産業特化の程度を確認すると、過去約60 年間で製造業の特化が進んだ地域は、東京との所得格差を大きく縮小させている地域とほぼ一致している。都市間の産業特化の比較では、東京で卸売・小売業と金融・保険業の特化が進んでいる。地方については、農林水産業への特化が北海道と宮崎で、政府部門への特化が鳥取と島根で急速に進んでいる。現状では製造業に特化している地域で域外から得る所得は高いものの、農林水産業などに特化している地域の域外所得は高まっていない。
地方が東京に追いつくためには、地方にある産業の資本労働比率を高める必要がある。例えば製造業の強化だけでなく、農林水産業やサービス業などでも、そうした取り組みを加速させるべきだろう。地方創生の効果を高めるには、地域の経済構造の特徴を踏まえた生産性向上のための政策立案が必要である。

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