サマリー
◆女性や高齢者を中心として、働き方が従来の典型的な正社員とは異なる雇用形態や、それに即した雇用環境の整備がますます重要になっている。従来型の正社員のうち、職務内容や勤務地、労働時間などが限定的である「限定正社員」のことを「多様な正社員」と呼ぶ。
◆女性はどの年齢においても「多様な正社員」という働き方を希望する割合が高い。60代以上になると、男性も「多様な正社員」という働き方を希望する割合が約4割に増加する。男女でそれを希望する年齢に違いがあるため、正社員と「多様な正社員」の転換をライフスタイルのニーズに応じて柔軟に行える環境整備が求められる。
◆労働時間の柔軟性を求めて非正規雇用を選択する女性や高齢者が多いが、現状では、労働時間が限定された働き方を導入している企業の割合は低い。高齢者の雇用を拡大させるために、今後は労働時間が限定されているなどの「多様な正社員」を普及させていくことが期待される。
◆「多様な正社員」は、成長実感が持ちやすく仕事の満足度が高いだけでなく、そうした働き方を導入した企業にとっても従業員の定着率が高まるなどの効果が期待できる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
継続雇用年齢の引き上げで必要な企業の対応
高齢者雇用に求められる処遇改善とニーズに応じた働き方の柔軟性
2018年10月30日
-
「人生100 年時代」の高年齢者雇用と企業年金
『大和総研調査季報』 2018年夏季号(Vol.31)掲載
2018年07月23日
-
高齢者が働き続けられる雇用管理とは
65歳以降の雇用管理には、健康確保と評価・処遇制度の再構築が必要
2017年11月29日
同じカテゴリの最新レポート
-
健康経営の評価軸は「成果」へシフト
スコープは社会全体のウェルビーイング向上や経済成長にも拡大
2025年09月12日
-
従業員の経済的不安に、企業はどう応えるか
従業員の現在の備えと将来の資産形成を両立する米国企業の取り組み
2025年08月18日
-
若者の奨学金返済の不安をどう解消するか
給付奨学金の拡充、貸与奨学金は有利子から無利子への流れを加速
2025年05月09日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日