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税収上振れと金利正常化の後ずれで財政の中長期見通しは改善

内閣府中長期試算(2018年7月)で示された見通しの検討

2018年07月19日

経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司

サマリー

◆2018年7月9日に公表された内閣府「中長期の経済財政に関する試算」によると、2025年度における国・地方の基礎的財政収支(PB)は成長実現ケースでGDP比▲0.3%、ベースラインケースでGDP比▲1.3%と見込まれている。半年前に公表された前回の見通しから赤字幅が縮小した。これは主に、足元の税収の上振れの一部が今後の税収増に寄与する分として、将来の税収見通しに上乗せされたためと考えられる。

◆2019、20年度のCPI上昇率の見通しが大幅に引き下げられたことで、長期金利がゼロ%から上昇へ転じると見込まれるタイミングが2021年度へ一年、後ずれした。結果として、前回の見通しよりも政府の金利負担が減少しており、PBの改善もあって財政収支や公債等残高の見通しが改善した。

◆2018年6月に策定された「新経済・財政再生計画」では、計画の進捗状況を確認するため、2021年度におけるPB対GDP比、債務残高対GDP比、財政収支対GDP比の3つの指標が、メルクマールとして設定された。成長実現ケース、ベースラインケースともに3つの指標をクリアするように財政が改善していく見込みである。ただ、中長期試算で示された財政改善を首尾よく実現できるかどうかに関しては、経済面での不確実性の大きさに留意が必要である。

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