2024年10月18日
サマリー
◆ストックオプションとは、株式をあらかじめ決められた価格で取得できる権利である新株予約権を会社の役職員等に報酬として付与する制度である。本稿ではストックオプションの課税関係について解説する。
◆無償で付与されるストックオプションのうち税制措置が適用される要件を満たしたものは税制適格ストックオプションと呼ばれる。税制適格ストックオプションは、役職員等が権利を行使した時には課税されず、取得した株式を譲渡する時まで課税が繰り延べられる。
◆非上場のスタートアップ等が税制適格ストックオプションを活用しようとする際に、株価の時価を算定するのは困難である。国税庁は当該株式の取引相場の有無に応じた時価の算定方法について公表している。
◆要件を満たさないストックオプションは税制非適格ストックオプションと呼ばれる。税制非適格ストックオプションには、①無償・有利発行型、②有償型、③信託型があり、いずれもストックオプションの付与時に課税関係は生じないが、権利行使時はそれぞれ課税の扱いが異なる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
各種株式報酬のインセンティブ等の比較
インセンティブや税務・会計上の扱いを考慮して導入することが重要
2016年11月21日
-
2024年度税制改正解説-金融・証券税制
税制適格ストックオプション制度の拡充など
2024年02月26日
同じカテゴリの最新レポート
-
道府県民税利子割への清算制度導入を提言
令和8年度税制改正での実現は不透明な情勢
2025年08月13日
-
2012~2024年の家計実質可処分所得の推計
2024年は実質賃金増と定額減税で実質可処分所得が増加
2025年04月11日
-
「103万円の壁」与党修正案の家計とマクロ経済への影響試算(第5版)
所得税の課税最低限を160万円まで引き上げる与党修正案を分析
2025年03月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日