サマリー
◆近年、コーポレートガバナンスの強化の流れの下、役員に対して株主と同じ目線で株価を向上させるインセンティブを与える株式報酬が注目されている。
◆主な株式報酬として、税制適格ストック・オプション、1円ストック・オプション、有償ストック・オプション、株式交付信託、譲渡制限付株式がある。これらのうち、税制適格ストック・オプションと有償ストック・オプションは、一般的に、株価が一定水準以上に上昇するよう企業価値を向上させるインセンティブが相対的に強力に働くが、株価が大きく下落している局面ではインセンティブは働きにくいという特徴がある。一方、1円ストック・オプション、株式交付信託、譲渡制限付株式は、一般的に、株価水準にかかわらず、株価が上昇するよう企業価値を向上させるインセンティブが働くという特徴がある。
◆また、これらの株式報酬は、役員に対する課税のタイミングや会社における損金算入の可否といった税務上の扱いや、費用計上の要否といった会計上の扱いが異なっている。株式報酬を導入する企業は、インセンティブの特徴や税務・会計上の扱いを踏まえ、自社のガバナンスにとって望ましい株式報酬を組み合わせて導入する必要がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
2025年度税制改正大綱解説
大綱の公表で完結せず、法案の衆議院通過まで議論が続くか
2025年01月06日
-
2025年の中国経済見通し
注目点は①不動産不況の行方、②トランプ2.0 vs 内需拡大
2024年12月20日
-
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
-
岐路に立つ日本の人的資本形成
残業制限、転職市場の活発化、デジタル化が迫る教育・訓練の変革
2025年01月09日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
2025年度税制改正大綱解説
大綱の公表で完結せず、法案の衆議院通過まで議論が続くか
2025年01月06日
2025年の中国経済見通し
注目点は①不動産不況の行方、②トランプ2.0 vs 内需拡大
2024年12月20日
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
岐路に立つ日本の人的資本形成
残業制限、転職市場の活発化、デジタル化が迫る教育・訓練の変革
2025年01月09日