サマリー
番号制度においては、導入後の利用・活用の拡充も重要なテーマである。
番号制度の政策的な効果を向上させるためには、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の観点から情報提供ネットワークシステムを通じた情報連携の範囲の拡大を図るべきである。
市町村においては、番号制度対応を契機にシステム・インフラの整備が進むことから、それを利用した新たな独自サービス、多彩な住民サービスが提供される新たな地域社会の幕開けとなろう。
利便性向上のための、個人番号カードに代えたスマートフォンの活用、マイ・ポータルの利用拡大(マイガバメント)など、周辺制度の拡充も期待されている。
民間利用については、「公益性等」があることが前提となろう。個人番号だけでなく、情報提供ネットワークシステム、マイ・ポータル、公的個人認証サービスといった周辺制度のさらなる活用も検討されている。証券会社・金融機関においては、例えば、NISAでの活用、移転先が分からない顧客の住所確認などの他、クラウド・ファンディングや顧客の納税事務の簡素化といった活用方法も期待される。
なお、医療情報への活用については、よりセンシティブな情報ということで、番号法とは別に、検討が進められているが、番号法に基づくインフラについて、二重投資を避ける観点から、共用できる部分は共用することも検討すべきであろう。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2012~2024年の家計実質可処分所得の推計
2024年は実質賃金増と定額減税で実質可処分所得が増加
2025年04月11日
-
「103万円の壁」与党修正案の家計とマクロ経済への影響試算(第5版)
所得税の課税最低限を160万円まで引き上げる与党修正案を分析
2025年03月19日
-
平成以降の家計の税・社会保険料負担の推移
『大和総研調査季報』2025年新春号(Vol.57)掲載
2025年01月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日