公社債税制の抜本改正(法人投資家編)

2016年以後、課税玉と非課税玉の分断が解消される

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2013年07月25日

サマリー

◆2013年3月29日、「所得税法等の一部を改正する法律」(平成25年度税制改正法)が参議院にて可決・成立し、3月30日に公布された。また、関連する政省令の改正も行われている。本稿は、平成25年度税制改正のうち、金融所得課税の一体化(法人投資家に関連するもの)について解説する。


◆法人が利付債の利子を受け取る際に特別徴収されている、道府県民税利子割が廃止される。これに伴い、道府県民税法人税割からの道府県民税利子割の控除等も廃止される。


◆指定金融機関等が利付債の利子を受け取る場合、自己の保有期間にかかわらず、利子の全額が源泉徴収不適用となる。これにより、利付債の流通市場における「課税玉」と「非課税玉」の分断が解消されるものと考えられる。


◆普通法人等が利付債の利子を受け取った場合、自己の保有期間にかかわらず、源泉徴収された所得税額等の全額を法人税額等から控除できるようになる。


◆割引債の発行時の源泉徴収は廃止される。一方、一般社団法人等については、個人と同様に割引債の償還時の源泉徴収が行われる。この場合、「みなし償還差益」が用いられる場合と、実際の償還差益が用いられる場合とがある。


◆これらの改正の施行日は、原則として平成28(2016)年1月1日である。

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