役員報酬プログラムの開示動向

TOPIX500採用会社の動向分析からみる今後の展望

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サマリー

◆本稿は、TOPIX500採用会社の有価証券報告書における役員報酬の開示内容について、企業の対応状況を整理した上で、国内の現状と今後の展望について示唆を得ることを目的とする。

◆TOPIX500採用会社の開示状況を見ると、取締役・執行役の報酬に占める業績連動報酬の割合は3~4割ほどと、欧米諸国と比較して依然低い水準にある。業績連動報酬の指標には、利益や資本効率を測る指標、株主が得る利益やESGに関する指標などを導入している企業が見受けられた。業績連動報酬の決定方法は、企業ごとに開示内容が大きく異なり、投資家目線から十分には読み解けない開示も多いのが現状であった。

◆企業においては、具体的な報酬額とその決定に至る過程や意図を、投資家から見て分かりやすいように開示することが求められよう。特に、足元で投資家から注目されている業績連動報酬の設計や、ESGへの対応について、より丁寧な説明を行うことが重要であろう。今後は、企業の開示情報の充実によって、投資家との円滑なコミュニケーションが生まれることが期待される。

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