2022年02月01日
サマリー
◆金融庁が公表する「顧客本位の業務運営に関する原則」において、金融機関は「ライフプランを踏まえた提案」や「複数の商品の比較」などの実施が求められている。顧客本位の業務運営の達成という観点からは、「サービス実施率」それ自体の高低というよりも、「ニーズ保有者に対するサービス実施率」の高低が重要になると考えられる。
◆金融庁「リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査」より、「ニーズ保有者に対するサービス実施率」を確認すると、「ライフプランを踏まえた提案」では28.0%、「複数の商品の比較」では33.7%と低い水準にあった。特に、世帯資産額が低い顧客の「複数の商品の比較」や、ネット銀行・証券の利用顧客の両サービスについては、「ニーズ保有者に対するサービス実施率」がさらに低い水準にあった。
◆「ニーズ保有者に対するサービス実施率」を高めるにあたって、2つの方針が考えられる。1つが、「サービス実施率」そのものを上げることである。特に「ライフプランを踏まえた提案」については、金融機関としては、ニーズに対するサービスの供給量が足りていない点を考慮して、当該サービスの強化を図ることが重要になると考えられる。
◆もう1つが、金融機関がニーズのある顧客をより的確に捕捉するということである。特に「複数の商品の比較」については、「ニーズ保有率」と比べ「サービス実施率」が高いことから、「サービス実施率」を現状より向上させなくとも、顧客ニーズを的確に捉えることによる「ニーズ保有者に対するサービス実施率」を向上させる伸びしろは大きいと考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
顧客満足度を高める金融サービスとは
対面銀行・証券では商品購入後の適切なフォローアップがカギ
2021年08月11日
-
「顧客本位の業務運営に関する原則」にかかる金融機関の取組方針策定・公表の課題
2021年12月06日
-
資産運用においてどのような顧客が利用金融機関を友人や知人に紹介するのか
2021年11月15日
同じカテゴリの最新レポート
-
日本での実質株主確認制度導入に向けた議論
会社法中間試案では2つの制度の導入を検討
2026年06月26日
-
投資信託へのプライベートアセットの組入れ
制度設計上の論点と欧州・長期投資ファンド(ELTIF)からの示唆
2026年06月18日
-
有価証券報告書の記載事項の整理が始まる
2028年3月期から適用の可能性
2026年06月11日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

