2017年03月17日
サマリー
◆アジア地域ファンド・パスポート(ARFP)が2017年末より始動する見込みである。国や地域をまたがって投資信託等の相互販売を容易にするための制度であり、日本、オーストラリア、韓国、ニュージーランド、タイの5か国が当初の参加国となっている。アジア経済の成長のために、アジアの資本市場の深化・拡大がARFPの第一義に位置付けられていると考えられる。
◆ARFPはアジアでの投資信託市場の統合に向けた取組みである。統合によって投資の選択肢が増えるという恩恵を投資家は受ける一方、金融業の側では競争が激しくなり、より魅力的な金融サービスを提供することがいっそう求められる。
◆投資家側と販売側の各主体の行動によって、アジアの資本市場が深化・拡大し、企業の資金調達環境の改善がもたらされることが期待される。
◆現時点ではARFPはあくまで制度の改善が進められた段階であり、その制度を実際に利用する動きが広がっていく必要がある。当面は実際の運用において、利用者の利便性が担保されることが求められる。中長期的にはARFPへの参加国を増やしていくことが望まれるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
フィンフルエンサーの規制と取締りに関する海外動向
国境を越えた規制協力、フィンフルエンサー向け教育や認証制度の必要性
2025年11月19日
-
政策保有株式の縮減状況~2024年版~
保有銘柄数・保有額は前年比で2割程度の縮減
2025年11月11日
-
政策保有株式の開示に関する課題と展望
TOPIX500採用銘柄の開示状況から得られる示唆
2025年10月29日

