純粋持株会社におけるインサイダー取引規制の論点

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サマリー

◆2011年3月から金融審議会が再開されている。その諮問事項の中に「インサイダー取引規制における純粋持株会社の取扱い等についての検討」が含まれている。

◆インサイダー取引規制における決定事実(合併など)や発生事実(訴訟の提起など)の軽微基準は、上場会社本体については、原則、単体ベースの決算情報が基準とされている。そのため、純粋持株会社の場合、必ずしも適切な基準として機能しないのではないかとの懸念がある。

◆決算情報変更(業績予想の修正など)は、連結ベースだけでなく単体ベースでも一定水準以上の修正があれば重要事実に該当する。これも純粋持株会社の場合、単体ベースの情報にそれほどの重要性を認める必要があるのか、といった議論がある。

◆これらの問題以外にも、上場会社本体と子会社における決定事実・発生事実の相違、子会社の会社関係者に適用される重要事実の範囲なども、特に純粋持株会社について問題となる可能性があるだろう。

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