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国際金融規制改革の行方

国際協調の“Fault lines”の表面化の懸念

金融調査部 主席研究員 内野 逸勢

サマリー

◆2014年2月に開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議の声明において、2013年9月のサンクトペテルブルク・サミットから引き続き、金融危機の再発防止が挙げられ、シャドーバンキングへの対処など危機防止策を今秋の首脳会談までに完了する目標が掲げられた。


◆サンクトペテルブルク・サミットでは、リーマン・ショック後の2008年11月のG20サミット以来5年間、国際金融規制の改革が実施され、一定の成果があがっていると宣言された。同宣言では、国際金融規制改革の最大のポイントは、金融危機の主因である“断層(Fault lines)”をなくすためのこれまでにない“国際協調”であるとしている。


◆この5年間、特に危機の発生源である米国、多大な影響を受けたユーロ圏、英国では金融規制の構造的な問題について、政府と規制機関が一体となって調査・分析しながら、金融、特に銀行の規制改革に取り組んできた。この結果、2013年12月に米国ではボルカー・ルールの細則が確定し、英国では銀行規制法が成立した。


◆ユーロ圏では、2014年1月末に、リーカネン委員会報告書をもとにしたバーニー委員の提案が欧州委員会で受理された。しかし、今後のユーロ圏の銀行規制改革の方向性を見通すと加盟国は一枚岩ではない可能性もあると考えられる。


◆一方、銀行規制改革の主な内容は、通常の預金取扱機関の業務をリスクの高い証券業務から強制的に分離することであるが、同時に、金融仲介機関としての預金取扱機関の原点に立ち戻り、本来“あるべき役割”を踏まえた上で、事業範囲あるいは事業モデルを再定義しようとするものであるとも考えられる。


◆ただし、預金取扱機関に健全性と持続可能な収益性を維持するために、金融仲介機関としてどの事業範囲まで認めるのかは、大きな課題として残ると考えられる。


◆本稿では以上を踏まえた上で、今後の国際金融規制改革の行方について考察を行う。

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