銀行等の大口信用供与等規制の見直し(案)

【銀行法改正法案】公募社債も「信用供与等」としてカウントへ

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  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆2013年4月16日、「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」(金商法等改正法案)が国会に提出された。金商法等改正法案には、銀行等による資本性資金の供給強化等を目的とした、銀行法の一部を改正する法案(銀行法改正法案)が含まれている。


◆銀行法改正法案には、銀行等に対する大口信用供与等規制の見直し(案)が提示されている。


◆見直し(案)では、規制の実効性を確保すべく、名義分割や迂回融資等による規制の潜脱を防止するための規定を設けている。


◆また、我が国では、インターバンク取引(コールローン等)、金融機関預け金(預金)、コミットメントラインの融資未実行残高分、デリバティブ取引の信用リスク相当額、公募社債等は規制対象外となっているが、見直し(案)はこれらを原則として規制対象としている。


◆さらに、我が国では、受信側がグループの場合、信用供与等の限度額(自己資本の額に対する割合)は「40%」となっているが、見直し(案)はこれを国際的な標準である「25%」に引き下げている。


◆そして、我が国では、受信側グループの合算範囲を議決権50%超の形式的支配関係で判断しているが、見直し(案)はこれを議決権による支配的関係に加えて経済的な相互関連性(実質支配力基準)に基づき判断することとしている。


◆見直し(案)のうち、大口信用供与等規制の潜脱防止部分(規制の実効性確保)については、公布日から20日を経過した日から施行される予定である。それ以外の部分については、公布日から1年6ヶ月以内で政令で定める日から施行される予定である。

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