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証券・保険にも公的資金注入が可能に

【預保法改正法案の“resolution”】預金取扱金融機関は102条と併存

金融調査部 主任研究員 鈴木 利光

サマリー

◆2013年4月16日、金融庁は、「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」(金商法等改正法案)を国会に提出している。金商法等改正法案には、金融機関の秩序ある処理(“resolution”)の枠組みの整備を目的とした、預金保険法の一部を改正する法案(預保法改正法案)が含まれている。


◆預保法改正法案は、既存の金融危機対応措置である預金保険法102条を残しつつ、対象を金融業全体(預金取扱金融機関、保険会社、金融商品取引業者、金融持株会社等)に拡大した“resolution”の新設を提案するものである。


◆“resolution”は、市場の著しい混乱の回避のために必要と認められる場合、金融危機対応会議の議を経て内閣総理大臣が、金融機関の秩序ある処理の必要性を認定することにより実施される。措置内容は、預金保険機構による監視、流動性供給・資金援助等である(債務超過でない場合、必要に応じて資本増強も可能)。そして、“resolution”を実施する場合には、契約上のベイルイン(無担保債権のヘアカット又は普通株式への転換)が発動される。


◆既存の預金保険法102条と新設の“resolution”は、その発動の認定(金融危機対応会議による認定)、債務超過をしていない場合の資本増強、そして費用負担(負債額をベースとした業界の事後負担を原則)について、重複するアプローチを採っている。そのため、預保法改正法案の提案は、預金取扱金融機関にとっては大きな意味を持たない可能性がある(もっとも、これまでとは異なり、預金取扱銀行以外のノンバンク(証券会社・保険会社等)の破綻に際しても費用負担を求められ得ることにはなる)。


◆これに対して、預金取扱金融機関以外のノンバンク(証券会社・保険会社等)にとっては、預保法改正法案の提案は大きな意味を持つ。というのは、(一時国有化は想定されていないとはいえ、)これまでは預金取扱金融機関のみを対象としてきた、公的資金注入の対象に新たに加えられ得ることになるためである。


◆預保法改正法案は、公布日から9ヶ月以内で政令で定める日から施行される予定である。

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