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バーゼルⅢ告示(4) リスク捕捉の強化

CVAリスク相当額の加算等により信用リスク・アセットが増大

金融調査部 主任研究員 金本 悠希

サマリー

◆3月30日、金融庁はバーゼルⅢを踏まえた自己資本比率に関する告示の改正を公表した。2013年3月31日から適用される。本稿では、改正告示のうち、リスク捕捉の強化について説明する(普通株式等Tier1比率、Tier1比率、総自己資本比率については、それぞれ4月12日付、4月19日付、4月25日付拙稿参照)。

◆金融危機の際に、ある金融機関の破綻リスクが他の金融機関に波及するというシステミック・リスクが生じたことを受けて、改正告示では、総資産が1,000億ドル以上の金融機関などに対するエクスポージャーの信用リスク・アセットを計算する際、相関係数を1.25倍する見直しを行っている。

◆また、「信用評価調整(CVA)」リスク相当額を信用リスク・アセットに加算する見直しも行われている。CVAとは、欧米の会計基準上、デリバティブ取引が取引相手の格下げなどの信用力の低下によって価値が下落した場合に、損失額の期待値の割引現在価値を織り込む処理を指す。金融危機の際、CVAによる損失が巨額となったが、従来のバーゼル規制ではCVAリスクが織り込まれていなかったため、それを見直したわけである。

◆他には、担保管理の強化、外部格付(格付機関による格付)への依存の見直し、取引相手のエクスポージャー額が増大すると同時に、それによってデフォルト率も高まる(両者が相関関係を持つ)ことによって大きなリスクが発生するという「誤方向リスク」への対応もなされている。なお、バーゼルⅢ規則文書には清算機関等向けエクスポージャーの取扱いの変更も盛り込まれているが、改正告示には盛り込まれていない(バーゼル銀行監督委員会においてまだ合意に達していないため)。

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