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株主総会の「継続会」ガイダンスについて

新型コロナウイルス感染症を受け、金融庁・法務省・経産省が発出

金融調査部 主任研究員 横山 淳

サマリー

◆2020年4月28日、金融庁・法務省・経済産業省の3省庁は共同でガイダンス「継続会(会社法317条)について」を発出した。

◆「継続会」とは、株主総会の議事に入ったものの、審議を終わらないまま後日に継続(続行)した場合における、その継続審議を行う場のことである。新型コロナウイルス感染症の影響で、当初予定した定時株主総会の時期までに決算・監査業務を完了できない場合において、その活用が検討されている。

◆当ガイダンスでは、①当初の定時株主総会の時点で継続会の日時・場所が確定できない場合、議長に一任する決議も許容されること、②取締役等の選任に当たっては、確定した計算書類はなくても、既に公表した四半期報告等を活用して、この一年間の事業の概況、新任の経営者に求められる役割等について丁寧な説明を行うことが求められること、③配当決議を行う場合、効力発生日が2020年3月期の計算書類の確定前である限り、2019 年3月期の確定した計算書類に基づいて算出された分配可能額の範囲内において行うことができること、④当初の定時株主総会と継続会の間の期間については、現下の状況にかんがみ、3ヶ月を超えないことが一定の目安になることなど、重要な解釈、運用指針が示されている。

◆株主総会の継続会については、これまで不適切な会計処理が発覚したケースなどを除いては、あまり実例が多くなかったことから、企業の株主総会実務にとって同ガイダンスは有益なものとなるだろう。

◆もっとも、継続会は、新型コロナウイルス感染症の終息時期が見通せない中で、株主総会という大きな「イベント」を実質的に2度にわたって実施する必要があることなどを踏まえれば、必ずしも使い勝手の良い仕組みとはいえないだろう。

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