サマリー
◆2026年1月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月差+13.0万人と加速し、市場予想(Bloomberg調査:同+6.5万人)を大幅に上回った。ただし、雇用者数の増加分の多くが相対的に景気動向に敏感ではない教育・医療である点には注意が必要だ。民間部門(除く教育・医療)は3カ月連続でプラスとなったものの、内訳を見るとマイナスの業種も多い。失業率については、前月差▲0.1%ptの4.3%と2カ月連続で低下し、市場予想(Bloomberg調査:4.4%)を下回った(改善)。総じて見ると、雇用環境は持ち直しの兆候を示しているといえるが、雇用者数のヘッドラインが示すほどの力強さは見られない。
◆雇用環境の先行きについては、緩やかに回復していくことが見込まれる。トランプ減税2.0やFRBがこれまでに実施した利下げが景気の下支え要因となり、雇用の回復を後押しするとみられる。他方で、足元ではAIの活用等を理由としたコストカットを公表する企業が相次いでいる。失業率に先行する傾向にあるChallenger, Gray & Christmas 社調査による人員削減計画は、春以降に失業率が再上昇する可能性を示唆している。関税コストの高まり等の影響を緩和する必要がある中で、企業がコストカットを進めれば、雇用環境の回復ペースを抑制することも想定し得る。
◆最後に金融政策について、2026年1月27・28日のFOMC後の記者会見でパウエルFRB議長は、現在の政策金利は中立金利のレンジ内にあり、会合後ごとに政策決定を判断するのに適切な位置にあると強調していた。先行きの利下げについては、雇用とインフレのデータ次第となる。3月17・18日のFOMCまであと1回の雇用統計の発表があるものの、1月の雇用統計については雇用環境が持ち直しつつあることを示唆しており、現時点では様子見可能との評価になりやすい。ドル安による輸入物価の押し上げが警戒される中で、目先は2月13日に公表予定の2026年1月のCPIを含むインフレの動向が注目されやすいだろう。
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