FOMC 0.50%ptの利下げを決定

利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る

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2024年09月19日

  • 経済調査部 主任研究員 矢作 大祐
  • ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 藤原 翼

サマリー

◆2024年9月17日・18日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを0.50%pt引き下げ、従来の5.25-5.50%から4.75-5.00%へと変更した。利下げ自体は市場参加者にとってサプライズとはならなかったものの、利下げ幅について予想は割れていた。

◆0.50%ptの利下げに関して、パウエルFRB議長は、FOMC後の記者会見で、①インフレ率が2%に減速していくとの自信が深まったことに加え、②後れを取らない(景気を引き締めすぎない)ためのコミットメント、を意図するものと説明した。インフレの減速が続くとの自信が高まる中で、景気や雇用を支える姿勢を強めたといえる。

◆今回のFOMCではFOMC参加者による経済見通し(SEP)と、FOMC参加者のFFレート予想であるドットチャート(中央値)が公表された。SEPに関しては、雇用環境は前回の予想(6月時点)に比べて悪化するとの予想は示されたが、景気全体は底堅く推移し、インフレ率は2%に向けて緩やかに減速していくというソフトランディングシナリオが維持された。

◆ドットチャートに関しては、2024年内の利下げ幅を拡大することで、6月時点よりも早期に中立的な金利水準に引き下げる見通しとなっている。ただし、2024年内において、追加的な大幅や連続での利下げに慎重なスタンスを取る参加者も比較的多く、見解が割れている。2025年以降についても、先行きの経済状況が不透明であることや、大統領選挙の結果にも大きく左右されることから、今後のデータ次第で大きく変わり得る。

◆先行きの利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る中で、失業率がFOMC参加者の予想以上に上昇すれば、大幅利下げの可能性は高まり、インフレ率が高止まりすれば、利下げも緩やかになり得る。問題は一時的に失業率が予想以上に上昇しつつも、インフレ率が高止まりするような状況が発生した場合だ。FOMC参加者の中でも意見が割れ、市場参加者の思惑も振れやすくなろう。

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