サマリー
◆2024年9月17日・18日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを0.50%pt引き下げ、従来の5.25-5.50%から4.75-5.00%へと変更した。利下げ自体は市場参加者にとってサプライズとはならなかったものの、利下げ幅について予想は割れていた。
◆0.50%ptの利下げに関して、パウエルFRB議長は、FOMC後の記者会見で、①インフレ率が2%に減速していくとの自信が深まったことに加え、②後れを取らない(景気を引き締めすぎない)ためのコミットメント、を意図するものと説明した。インフレの減速が続くとの自信が高まる中で、景気や雇用を支える姿勢を強めたといえる。
◆今回のFOMCではFOMC参加者による経済見通し(SEP)と、FOMC参加者のFFレート予想であるドットチャート(中央値)が公表された。SEPに関しては、雇用環境は前回の予想(6月時点)に比べて悪化するとの予想は示されたが、景気全体は底堅く推移し、インフレ率は2%に向けて緩やかに減速していくというソフトランディングシナリオが維持された。
◆ドットチャートに関しては、2024年内の利下げ幅を拡大することで、6月時点よりも早期に中立的な金利水準に引き下げる見通しとなっている。ただし、2024年内において、追加的な大幅や連続での利下げに慎重なスタンスを取る参加者も比較的多く、見解が割れている。2025年以降についても、先行きの経済状況が不透明であることや、大統領選挙の結果にも大きく左右されることから、今後のデータ次第で大きく変わり得る。
◆先行きの利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る中で、失業率がFOMC参加者の予想以上に上昇すれば、大幅利下げの可能性は高まり、インフレ率が高止まりすれば、利下げも緩やかになり得る。問題は一時的に失業率が予想以上に上昇しつつも、インフレ率が高止まりするような状況が発生した場合だ。FOMC参加者の中でも意見が割れ、市場参加者の思惑も振れやすくなろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国:AI関連投資の持続性を左右する3つの要因
①ハイパースケーラーの収益化志向、②「循環資金」が内包するリスク、③レバレッジ型ETFによる変動拡大
2026年07月09日
-
雇用者数は前月差+5.7万人と減速
2026年6月米雇用統計:失業率は低下も、労働力人口の急減が主因
2026年07月03日
-
米国:AI活用は続くが、「選別」も本格化へ
「選別」は過剰投資を抑制も、信用リスク・資産価格への波及に注意
2026年06月25日
最新のレポート・コラム
-
2025年度の個人向け社債市場の動向
発行額は過去最高に。今後は発行体の裾野が広がるかが注目点
2026年07月10日
-
外為法審査による買収案件中止とその示唆
外為法に基づく投資審査制度と判断のポイント
2026年07月10日
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
米国:AI関連投資の持続性を左右する3つの要因
①ハイパースケーラーの収益化志向、②「循環資金」が内包するリスク、③レバレッジ型ETFによる変動拡大
2026年07月09日
-
実務手引き「社債発行のガイドブック」— 社債発行への入り口
2026年07月10日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

