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米国経済見通し スタグフレーションの影

重用性が増す雇用環境の回復

2021年08月20日

ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 矢作 大祐

サマリー

◆大和総研は、2021年7-9月期の実質GDP成長率が前期比年率7.5%となると見込む。ただし、その内訳では、米国経済の屋台骨である個人消費は減速していくと予想する。4-6月期からの加速は在庫不足が徐々に解消していくことによる押し上げと、個人消費の減速に伴う輸入の伸び率鈍化によって外需のマイナス幅が縮小することによるものである。

◆米国経済は下振れリスクに直面している。ロイター/ミシガン大消費者センチメントが景気後退期に次ぐほどの大きさで悪化したように、個人消費が下振れするリスクがある。

◆ベースシナリオとしては、失業保険の給付増額の期限到来や対面授業の再開本格化によって労働供給が拡大し、雇用環境の回復が進展することで、個人消費の裏付けである家計所得が増加し、消費余力を確保できると考えられる。

◆他方で、新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大によって消費者マインドが一層悪化する懸念は残る。感染拡大自体が消費者センチメントに悪影響を与えるが、雇用環境の回復ペースを鈍化させることで、一層の悪化要因となり得る。特に失業保険の給付増額の期限が切れる9月まで感染拡大が継続すれば、感染回避や対面授業の再開停止等によって職場復帰が遅れることも考えられる。結果的に、家計所得の減少によって消費余力が低下し、個人消費を下押しすることがリスクシナリオとなろう。

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