サマリー
◆2021年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+6.5%と小幅に加速した。出遅れていたサービス消費やサービス輸出などが回復を主導した一方で、財消費や住宅投資といったウィズコロナ時代のけん引役は伸びが鈍化しており、ポストコロナへの移行が顕著に示された内容であったといえる。
◆同時に、市場予想を下回ったヘッドラインはコロナ禍による落ち込みからの回復を終え、緩やかな成長ペースとなる景気拡大期への移行を示唆している。2021年下半期以降は米国経済の屋台骨である個人消費を左右し得る雇用環境の回復具合が焦点となる。
◆雇用環境の回復という意味で、失業保険の給付増額の期限到来(9月)によって労働供給の増加が期待される。他方で、高齢層を中心とした退職や、雇用のミスマッチ、労働者の選好の変化によって、雇用環境の回復が期待通りに進展しない可能性もある。加えて、足下の新型コロナウイルスの感染状況の悪化が雇用環境の回復を遅延させ得る。雇用環境が順調に回復していくか、当面は7月分(8月6日公表予定)、8月分(9月3日公表予定)の雇用統計の結果が注目される。
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