サマリー
◆2021年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率+6.4%と、回復ペースが再加速した。新型コロナウイルスワクチン接種の進展及び感染状況の改善に加えて、2度にわたる経済対策が家計・企業の支えとなったといえる。
◆内訳を見ると、設備投資や住宅投資が堅調さを維持したことに加え、個人消費が再加速したことで内需主導の景気回復が進んだ。他方、在庫不足が懸念される民間在庫、及び、堅調な内需による輸入増が純輸出の赤字幅を拡大し、全体を下押しした。
◆今後もワクチン接種が一層進展する中で、豊富な貯蓄を背景とした堅調な個人消費、政府による規制緩和による企業活動の積極化によって、4-6月期の成長率はさらに加速すると想定される。他方、民間在庫と純輸出に関しては、当面下押し要因となることが見込まれる。なお、新型コロナウイルスの感染状況の悪化は景気下振れの最大のリスク要因であるが、ワクチンが重症化を抑制し、政府による規制強化を回避するとも考えられる。米国において、感染状況の悪化による景気下振れはテールリスクといえよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
非農業部門雇用者数は前月差+13.9万人
2025年5月米雇用統計:緩やかな悪化に留まっていることを示唆
2025年06月09日
-
米国経済見通し 米中デタントも、景気は減速へ
財政悪化と学生ローン政策の変更が景気を一層減速させるリスク要因
2025年05月23日
-
FOMC 様子見姿勢を強調
景気・インフレに加え、金融環境の変化が利下げのタイミングを左右
2025年05月08日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日