FOMC BS政策のフォワードガイダンスを修正

2021年後半以降は金融政策のアフターコロナへの移行準備が始まる

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2020年12月17日

サマリー

◆2020年12月15・16日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを、0.00-0.25%に据え置いた。バランスシート政策に関しては、国債等の購入規模も変更せず、保有国債の年限長期化も導入しなかった。

◆今回のFOMCの目玉は、バランスシート政策のフォワードガイダンスである。国債等の購入ペースに関して、従来の「今後数ヵ月」という定量的なガイダンスから「最大雇用と物価安定の目標達成に向け一段の著しい進展があるまで」というFRBのデュアルマンデートに紐づけた定性的なガイダンスへと修正した。

◆こうしたフォワードガイダンスの修正は、当面の間FRBが国債等の買入を通じて緩和的な金融環境を維持することにコミットしたという意味合いが強い。新型コロナウイルスが猛威を振るい、短期的な景気の下振れリスクが高い中で、バランスシート政策の継続は市場参加者に安心感を与えるだろう。

◆他方で、ワクチンというゲームチェンジャーの登場によって、今回公表された経済見通し(SEP)は上方修正され、FOMC参加者の実質GDPに関する不確実性及び下振れリスク懸念も低下した。景気回復の進展が期待される2021年後半以降は、市場参加者にテーパリングを意識させることになり、FRBとの対話が注目を浴びることになるだろう。

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