サマリー
◆2020年11月4・5日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを、0.00-0.25%に据え置いた。バランスシート政策に関しても米国債等の購入ペースについて特段の変更は示されなかった。また、FOMCの声明文に関しても、景気回復の継続を反映する微修正にとどまった。
◆注目点であったバランスシート政策のフォワードガイダンスに関しては、声明文でもパウエルFRB議長の記者会見でも特段の修正はなかった。FOMC参加者がバランスシート政策のフォワードガイダンスの変更に消極的なのは、追加的な財政支援の行方を見定めたいとの思惑もある。大規模な財政支援に積極的な「ブルーウェーブ」の実現可能性は低下したものの、新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多となる中で、大規模な財政支援を求める声は大きくなり得る。
◆パウエル議長は、記者会見でバランスシート政策に関する様々なパラメータ(規模や購入する年限の構成など)に関する有益な議論ができたと説明しており、今回のFOMCの議事録や次回12月のFOMCでのポイントとなる。また、企業「信用緩和」策の期限も12月末に到来することになることから、当面の間は、こうしたFRBの幅広い資産買入を巡る議論の進展が注目点といえる。
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