サマリー
◆2020年8月27日に、FOMCは「長期的な目標と金融政策戦略」の変更について合意したことを公表した。市場参加者の中では、9月15-16日のFOMCで公表されるという想定であったことから、タイミングとしてはサプライズといえる。9月のFOMCを巡ってマーケットの思惑を見越し、先んじて新たな金融政策の枠組みを公表したと考えられる。
◆タイミングはサプライズであったが、内容に大きなサプライズはない。過去10年の経済の変化を踏まえて、政策決定者がいかに金融政策を運営していくかということを反映したものといえる。主な変更点は(1)雇用の最大化、(2)物価の安定、(3)政策金利の実効下限制約下における金融政策戦略に関わる3点である。
◆FRBのデュアルマンデートのうち、雇用の最大化に関しては、より包括的な目標として再認識し、物価の安定に関しては、平均的なインフレ目標を導入した。修正されたデュアルマンデートの達成に向け、あらゆる手段を使用する準備ができていることを示し、政策金利以外の非伝統的な手段の重要性が高まっていることを追認した。
◆今回の変更によって、低金利政策は一層長期化する可能性が想定される。新たな金融政策の枠組みの策定が一段落したことで、9月のFOMCは短期的な金融政策運営に移る。家計・企業のバランスシートの悪化が懸念される中、資金繰りが厳しくなり得る点が最大リスクといえる。FRBは緩和的な金融環境を維持しているが、企業や家計の資金繰りが逼迫すれば、追加的な政策対応を考えざるを得ないだろう。
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