サマリー
◆新型コロナウイルス感染拡大や自宅待機要請・指示を背景に、4月の非農業部門雇用者数は前月差▲2,053.7万人と現行統計が開始した1939年以来最大の減少幅となった。また、注目の失業率に関しても、14.7%と現行統計が開始した1948年1月以来最悪となった。2020年2月まで堅調であったことを踏まえれば、雇用環境は類を見ないほど急速に悪化したことになる。
◆雇用環境の先行きに関しては、新規失業保険申請件数が平時に比べて高水準で推移していることから、5月の失業率も一層上昇することが想定される。また、4月後半以降、一部の州・地域で経済活動の再開が始まっているが、段階的な緩和にとどまる。加えて、多くの学校の閉鎖が8月末まで継続する見込みの中、共働き世帯にとっては職場復帰したくてもできない状況も想定される。雇用環境は緩やかな回復とならざるを得ないだろう。
◆雇用環境の回復に時間がかかるとみられる中、現在の金融緩和政策は当面維持されると見込む。他方で、雇用統計公表の前日である5月7日には、2020年12月物以降のFF先物がマイナスとなるなど、FRBによるマイナス金利導入を織り込む動きを見せた。FRBはマイナス金利の導入に慎重だが、マーケット参加者は景気回復の遅れを認識する中で、一段の金融緩和をFRBに要求する可能性がある点に留意が必要だろう。
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