米国大統領選挙をめぐる三つの論点
『大和総研調査季報』 2020年新春号(Vol.37)掲載
2020年01月10日
サマリー
2020 年の米国大統領選挙まで1年を切り、選挙モードが本格化している。共和党の筆頭候補であるトランプ大統領が再選するためには、現在の比較的好調な経済環境を維持するとともに、無党派層が重視する社会保障等でどのような政策を打ち出すかが重要となる。また、同氏に対する弾劾調査・裁判の行方も、再選を左右する要因となり得る。
一方、民主党の大統領候補者選びは混戦状態にある。同党支持者が理想と現実の間で揺れ動く中、各候補者が支持獲得のため、いかに自身の政策をアピールするかが当面の注目点となる。
民主党の有力候補者は、トランプ政権以前に巻き戻すか、あるいは、社会保障政策等でリベラルな政策を主張する。大統領選挙後を見据えると、いずれの候補者が大統領になっても米中関係が抜本的に改善されるとは考えにくい。また、民主党候補者が主張する増税策や金融規制強化策が実現すれば、米国経済や金融機関に悪影響を及ぼす可能性もある。ただし、政策の実現可能性は議会構成に大きく左右されるため、大統領選挙と同時に実施される議会選挙にも注視する必要がある。
大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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