サマリー
◆11月6日に行われた米国中間選挙の結果、トランプ大統領が所属する共和党は、上院で過半数を維持する一方、下院では過半数を8年ぶりに民主党に明け渡すことが確定した。これにより2019年1月から開始する第116議会では、上下院の多数党が異なる「ねじれ議会」が4年ぶりに発生することになる。
◆ねじれ議会の発生によって、とりわけ共和・民主両党で意見が対立する法案が議会を通過する可能性は大きく低下する。また、下院の過半数を民主党が獲得したことで、民主党によるトランプ政権に対する監視は強まることになろう。2016年の大統領選挙におけるロシアの介入疑惑に関する調査などが本格化すれば、政策議論は一層進みづらくなる。
◆他方、ねじれ議会下においても、超党派での合意が得られる政策は、実現の可能性が残される。代表例としてインフラ投資などが挙げられるが、具体的な内容に関して両党の意見が一致していないため、意見がまとまるまでには長い時間を要する可能性がある。
◆金融規制に関しては、一律に緩和あるいは強化されるということは言えず、法案ごとに個別具体的に実現可能性を見る必要がある。一方、これまで規制当局により進められている規則の見直し・緩和は継続するとみている。
◆議会を通じた政策実行が困難になることで、2020年の大統領選挙での再選を目指すトランプ大統領は、大統領権限を駆使した政策を一層過激化する可能性が指摘できよう。大統領権限で可能な政策の代表例である通商政策に関して、貿易相手国への強硬姿勢が続くとみられ、通商政策を巡る不透明感は、中間選挙以降も続くことになろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米雇用者数は反動増もある中で大幅な伸び
2026年8月米雇用統計:雇用環境は底堅い一方、賃金上昇率は減速
2026年09月07日
-
なぜ米長期債・超長期債利回りは高止まりしているのか?
米国債への資金フローが構造的に変化
2026年09月04日
-
米国経済見通し 中東情勢と金利高止まりが景気の重石に
米・イランは歩み寄りの可能性も、金利高止まりは解決しづらい
2026年08月25日
最新のレポート・コラム
-
社債権者集会の開催に関する規律の概要
会社法改正の検討事項:バーチャル社債権者集会の法制化に関する論点(前編)
2026年09月10日
-
新コードに基づくCG報告書の開示が始まった
開示原則以外の記述は?解釈指針への対応は?
2026年09月10日
-
一時152円台に突入したドル円レート、日本経済への影響と円高の背景
10円の円高ドル安でGDPは▲0.16%も多くの企業・家計にはプラス
2026年09月09日
-
2026年9月日銀短観予想
AI・半導体需要で製造業は改善、非製造業はコスト増で悪化を予想
2026年09月09日
-
歩みを続ける:ジェンダー・ギャップ指数が教えてくれること
2026年09月09日
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

