米国雇用者数は2ヵ月連続の+20万人超え

2018年6月米雇用統計:失業率は上昇も、内容は悪くない

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2018年07月09日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2018年6月の非農業部門雇用者数は前月差+21.3万人と、市場予想(Bloomberg調査:同+19.5万人)を上回った。増加幅は前月から縮小したものの、2ヵ月連続で同+20万人を上回る高い伸びとなり、雇用者数の堅調な増加が確認される結果であった。

◆6月の失業率は前月差+0.2%pt上昇の4.0%となり、市場予想(3.8%)を上回った。失業率上昇の主因は非労働力人口が▲41.3万人減少し、労働参加率が4ヵ月ぶりの上昇に転じたことであり、失業率の上昇を過度に悲観的に捉える必要はない。

◆6月の民間部門の平均時給は、前月比+0.2%、前年比+2.7%となり、市場予想(前月比+0.3%、前年比+2.8%)を下回る期待外れの結果となった。低水準の失業率に照らすと、賃金の伸びは引き続き物足りない状況が続いている。

◆企業マインドは引き続き高水準で推移する一方、原油をはじめとする原材料価格の高騰や、人手不足などを背景とした輸送価格の上昇、さらには関税による輸入価格の上昇などに対する企業の懸念が高まっている。7月6日からは中国からの輸入品に対する追加関税が発動されており、企業のコスト増加が採用意欲の低下や、賃金上昇率の鈍化に繋がる可能性がある。

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