サマリー
◆2018年6月の非農業部門雇用者数は前月差+21.3万人と、市場予想(Bloomberg調査:同+19.5万人)を上回った。増加幅は前月から縮小したものの、2ヵ月連続で同+20万人を上回る高い伸びとなり、雇用者数の堅調な増加が確認される結果であった。
◆6月の失業率は前月差+0.2%pt上昇の4.0%となり、市場予想(3.8%)を上回った。失業率上昇の主因は非労働力人口が▲41.3万人減少し、労働参加率が4ヵ月ぶりの上昇に転じたことであり、失業率の上昇を過度に悲観的に捉える必要はない。
◆6月の民間部門の平均時給は、前月比+0.2%、前年比+2.7%となり、市場予想(前月比+0.3%、前年比+2.8%)を下回る期待外れの結果となった。低水準の失業率に照らすと、賃金の伸びは引き続き物足りない状況が続いている。
◆企業マインドは引き続き高水準で推移する一方、原油をはじめとする原材料価格の高騰や、人手不足などを背景とした輸送価格の上昇、さらには関税による輸入価格の上昇などに対する企業の懸念が高まっている。7月6日からは中国からの輸入品に対する追加関税が発動されており、企業のコスト増加が採用意欲の低下や、賃金上昇率の鈍化に繋がる可能性がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
非農業部門雇用者数は前月差+2.2万人
2025年8月米雇用統計:雇用環境の悪化が継続し、利下げが近づく
2025年09月08日
-
米国経済見通し 景気下振れの懸念強まる
雇用環境が悪化傾向を示す中、屋台骨の個人消費は楽観しづらい
2025年08月22日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日