サマリー
◆10月26日に2018年度予算決議案が可決されたことを受け、議会では税制改正に向け、議論は着実に進展している。下院税制改正案は11月16日に下院本会議で可決され、上院による案も、サンクスギビングデー休暇明けの11月27日から上院本会議で審議される見込みとなっている。
◆ただし、上院本会議での上院案の可決については、既に共和党内から不支持、および懸念の声が挙がっており、予断を許さない状況にある。仮に上院案が可決されたとしても、下院案との内容の隔たりは小さくなく、それらの一本化も容易ではないだろう。トランプ政権が目指す、税制改正の年内実現は非常に困難と言わざるを得ない。
◆2017年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+3.0%と、ハリケーンの影響による減速見込みに反して、前期(同+3.1%)と同程度の伸びを維持した。米国経済の先行きも、内需の拡大を中心とした、緩やかな景気拡大が続くと見込まれる。ただし、短期的にはハリケーン後の復興需要、およびその反動減に引き続き注意が必要である。
◆ハリケーンによる買い替え需要の増加によって、自動車販売は9月以降、高い水準で推移しているが、そうした復興需要は長期にわたって持続するとは考え難い。むしろ、復興による更新需要の先食いは今後の反動減を招くとみられ、今後、個人消費を下押しする要因になると考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
非農業部門雇用者数は前月差+13.9万人
2025年5月米雇用統計:緩やかな悪化に留まっていることを示唆
2025年06月09日
-
米国経済見通し 米中デタントも、景気は減速へ
財政悪化と学生ローン政策の変更が景気を一層減速させるリスク要因
2025年05月23日
-
FOMC 様子見姿勢を強調
景気・インフレに加え、金融環境の変化が利下げのタイミングを左右
2025年05月08日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日