サマリー
◆9月27日、トランプ政権は議会共和党指導部と共同で税制改革案を公表した。改革案の内容を盛り込んだ2018年度の予算決議案は10月5日に下院で可決され、税制改革の議論は着実に進展している。しかし、具体的な予算関連法案などの審議は、予算決議の成立後にようやくスタートするため、税制改革を含めた予算全体が成立するためには、なおも長い時間を要する公算が大きい。
◆また、財政調整法を活用することで、共和党単独での法案成立が可能になるとは言え、共和党内での意見集約も容易ではないことが予想される。税制改革を2018年11月の中間選挙前に成立させるため、実際の税制改革の内容は今回出された案から大幅に変更される可能性も十分にあろう。
◆2017年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.2%と前期から減速したとみられる。減速の最大の要因は、4-6月期に好調だった個人消費が、前期に比べて鈍化したとみられるためである。ハリケーン・ハービー、イルマは7-9月期の生産活動に悪影響を与えた一方で、9月時点で自動車販売などの復旧・復興需要が顕在化しており、四半期ベースでの成長率に対する悪影響は軽微に留まった模様である。
◆9月時点でもハリケーンが下押し要因となったとみられる住宅投資では、10-12月期以降、下振れからの回復、および復旧・復興などにより持ち直す公算が大きい。だが、建設労働者の不足などの供給制約により、回復はあくまで緩やかなペースで進むと見込む。ハリケーンによる振れを除いた、米国の基調的な経済の状況は非常に底堅く、先行きも雇用・所得環境の改善による個人消費の拡大をドライバーとした自律的な成長が続くことになろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
米国:停戦合意後も残る景気悪化リスク
原油高×金融リスクの増幅=フィナンシャル・アクセラレーター
2026年04月09日
-
非農業部門雇用者数は前月差+17.8万人
2026年3月米雇用統計:特殊要因のはく落による反動増
2026年04月06日
-
米国経済見通し 原油高への耐久目途は?
景気の下振れリスク抑制=5月、大幅悪化リスク抑制=10月
2026年03月24日
最新のレポート・コラム
-
中国:26年1Qは予想外の堅調で5%成長
ただし、中東情勢緊迫長期化なら政府目標4.5%~5%成長は困難に
2026年04月17日
-
原油高の国内への波及経路と価格転嫁率を踏まえた消費者物価への影響
原油・天然ガス・石炭価格の10%上昇は物価を最大約0.3%押し上げ
2026年04月17日
-
令和8年金商法等改正法案 有価証券に関する不公正取引規制等の見直し
市場制度ワーキング・グループの提言がそのまま反映される
2026年04月17日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、円安・ドル高が止まらないのか?
中東情勢の混乱が続く中、円安と物価高・実質賃金低下の悪循環が継続するリスク
2026年04月16日
-
ホルムズ海峡封鎖で変わる世界地図—改めて問われる「成長投資」とは?
2026年04月17日
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

