サマリー
10月の世界経済見通しの改定で、IMFは世界全体の成長率を2017年3.6%、2018年3.7%とし、前回7月からそれぞれ0.1%pt上方修正した。米国・ユーロ圏・日本の先進三極が揃って上方修正され、新興国では資源依存度の高いロシア、ブラジルの上方修正幅の大きさが目立つ。現在の世界経済の特徴の一つは回復のすそ野が広いことにある。これ自体、喜ばしいことであるのは無論だが、それは世界経済の拡大局面の成熟化が相当程度進んでいることを示唆してもいよう。例えばロシアやブラジルの景気回復は、資源価格の下げ止まり、上昇を起点としていたとみるのが妥当であるが、そうした局面は例えば中国経済の鈍化収束なしには実現困難だったと思われる。需要回復の連鎖が、現在の世界経済の同時拡大をもたらしているわけだが、当然、その起点となった国・地域を中心に、景気拡大期間は長期化し、循環的な拡大の伸び代が縮小しているはずである。IMFが予想するように、2018年にかけて世界経済が緩やかな加速を維持すると期待したいが、すそ野が拡大しているからこそ起こり得る、需要鈍化の連鎖の可能性にも目配りが必要な局面が近づいているように思える。
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