サマリー
◆トランプ大統領は2017年4月29日を以て、1月20日の就任から100日を迎える。トランプ大統領は選挙期間中に大統領就任後100日間で達成する政策目標のリストを公表し、大統領選挙の直後の11月21日にはその内容を強調する動画を公表していた。本レポートでは公約を改めて振り返った上で、トランプ大統領の100日間を総括する。
◆大統領就任後100日間の政策の進捗状況を概観すると、大統領権限で進められる政策については、トランプ大統領は概ね事前の公約通りに、迅速に実行に移してきたと言える。これに対して、議会の協力が必要となる政策については進展が見られず、大統領単独による政策の実施には限界があることを露呈したと言える。オバマケアの撤廃・置換を巡る議論においては、民主党との対立に加えて、共和党内での意見調整の難しさが浮き彫りとなり、政権の政策遂行能力に対する疑念が高まる結果となった。
◆先行きに関して、トランプ大統領は、大統領令で実行可能な政策案件については、これまで同様に大統領令を駆使して対応を進めていく公算が大きい。他方、議会の協力が必要となる財政政策などの法案作成については、引き続き苦戦を強いられる可能性が高いだろう。
◆目先の注目点としては、4月26日に公表された税制改革案を受けて、5月に公表される予定の予算教書がどのような内容となるかだが、トランプ大統領による税制改革案が盛り込まれた予算教書の内容がそのまま実現するとは考え難い。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国経済見通し 景気下振れの懸念強まる
雇用環境が悪化傾向を示す中、屋台骨の個人消費は楽観しづらい
2025年08月22日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
GENIUS法、銀行とステーブルコインの邂逅
ステーブルコインは支払決済手段として普及するのか?
2025年08月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日