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失業率は2007年8月以来の低水準

2016年11月米雇用統計:賃金上昇率は鈍化も、12月利上げの公算大

2016年12月05日

経済調査部 シニアエコノミスト 橋本 政彦

サマリー

◆2016年11月の非農業部門雇用者数は前月差+17.8万人となり、市場予想(Bloomberg調査:同+18.0万人)をわずかに下回ったものの、概ね想定通りの結果であった。非農業部門雇用者数増減の3ヵ月移動平均は同+17.6万人と前月(同+17.5万人)からほぼ変わらず、緩やかなペースでの雇用者数の増加が続いていることが確認された。


◆11月の失業率は4.6%となり、横ばいを見込んでいた市場予想に反して、前月差▲0.3%ptと大幅に低下した。これは2007年8月以来の低水準である。ただし、労働参加率は同▲0.1%と2ヵ月連続で低下しており、失業率の大幅な低下についてはやや割り引いて見る必要があろう。


◆11月の民間部門の平均時給は前月から3セント減少、前月比▲0.1%と、2015年12月以来の減少に転じた。市場予想(同+0.2%)を下回る結果となり、平均時給の前年比変化率も+2.5%と、高い伸びを示した前月(同+2.8%)から一転して伸びが縮小した。


◆今回の雇用統計を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)は12月13日~14日のFOMC(連邦公開市場委員会)において、追加利上げに踏み切る可能性が非常に高い。失業率が低下する中での賃金上昇率の鈍化はややバランスの悪い結果と言えるが、失業率の大幅な低下は将来の賃金上昇圧力となるため、利上げを正当化する要因となるだろう。なにより、雇用統計発表後も市場は12月利上げを十分織り込んでおり、利上げを行いやすい環境にある。


◆労働市場の先行きについては、引き続き緩やかな改善基調が続くと見込む。ただし、完全雇用が近づき、企業が求める人材と労働者との間でのスキルのミスマッチが顕在化する中で、雇用者数の伸びは鈍化していく公算が大きい。今後の焦点としては、労働参加率の上昇が労働供給不足をいかに補うかということになろう。

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