FOMC 年内の利上げ開始に前向き

海外経済の減速や金融市場の混乱で利上げ見送り

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2015年09月18日

  • 土屋 貴裕
  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2015年9月16日-17日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、事実上のゼロ金利政策を維持し、保有する資産規模を維持することを決定した。


◆今回のFOMCにおける米国経済の現状認識は「緩やかに拡大している」とされ、7月の前回会合から据え置かれた。個別項目への評価を見ると、設備投資が上方修正され、内需の力強い回復により景気拡大が続いているとの認識が示された。


◆他方で、足下での海外経済および金融市場の混乱が経済活動やインフレに対する下押し圧力になる可能性があるとの言及が声明文に追加された。このところの海外経済の減速や金融市場の混乱が今回利上げを見送る一因となったことが明示されたと言える。


◆政策金利見通しの中央値は2015~2017年のいずれも前回調査から0.25%pt低下したが、これは今回の利上げ見送りによる水準訂正を反映したものである。利上げ開始後の利上げペースの見方については概ね変更がなく、年間1%pt程度のペースを見込んでいる。


◆米国経済にネガティブな影響をもたらす市場の急落等がなければ、10月のFOMCで、海外動向が落ち着いて利上げの条件がほぼそろったことを示すだろう。10月FOMCでの利上げ開始の可能性は残されているものの、大和総研では12月会合での利上げ開始を見込んでいる。

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