サマリー
◆10月の非農業雇用者数は前月差8.0万人増と市場予想には届かなかったが、過去2ヶ月分が10.2万人分も大幅に上方修正された点を考慮すると、雇用者数は堅調に拡大しているといえよう。景気に対する過度な警戒感は後退しているが、改善ペースが加速していない点も事実であり、企業優位の労働市場に大きな変化はみられない。採用に慎重な企業は賃金水準を抑制する姿勢を続けだろう。
◆注目される民間部門は10.4万人増と8~9月の平均13.2万人増から鈍化した。これは、建設業を中心とした生産部門が落ち込んだことを反映しており、民間サービス部門に限ると、7月から10月にかけてほぼ同じペース(月平均12万人)で増加している。
◆10月の失業率は9.0%と前月から0.1%ポイント低下したが、4月以降、9.0~9.2%との狭いレンジで推移しているという方が適切だろう。ただ、8~10月は、就業者の増加がポジティブな要素として寄与し、同じ横ばいでもやや意味合いが異なる。また、経済的理由のパートタイム従業員の減少、解雇等の非自発的離職の減少・自発的離職の増加、長期失業者の減少など雇用環境の改善を示唆する点が多くみられる。
◆しかし、失業率は高止まったまま、雇用者数の増加幅も限定的というのが現実であり、オバマ大統領が就任してから雇用環境全般が改善したとはいえない。大統領選挙まであと一年となったが、再選を目指すオバマ大統領は国内外の厳しい状況に直面している。
◆注目される民間部門は10.4万人増と8~9月の平均13.2万人増から鈍化した。これは、建設業を中心とした生産部門が落ち込んだことを反映しており、民間サービス部門に限ると、7月から10月にかけてほぼ同じペース(月平均12万人)で増加している。
◆10月の失業率は9.0%と前月から0.1%ポイント低下したが、4月以降、9.0~9.2%との狭いレンジで推移しているという方が適切だろう。ただ、8~10月は、就業者の増加がポジティブな要素として寄与し、同じ横ばいでもやや意味合いが異なる。また、経済的理由のパートタイム従業員の減少、解雇等の非自発的離職の減少・自発的離職の増加、長期失業者の減少など雇用環境の改善を示唆する点が多くみられる。
◆しかし、失業率は高止まったまま、雇用者数の増加幅も限定的というのが現実であり、オバマ大統領が就任してから雇用環境全般が改善したとはいえない。大統領選挙まであと一年となったが、再選を目指すオバマ大統領は国内外の厳しい状況に直面している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国経済見通し 関税政策はマイルド化へ
トランプ大統領に対する世論と共和党内の不満の高まりが抑止力に
2025年11月25日
-
政府閉鎖前の雇用環境は緩やかな悪化が継続
2025年9月米雇用統計:雇用者数は増加に転じるも、回復は緩やか
2025年11月21日
-
統計公表停止中、米雇用環境に変化はあるか
足元は悪化基調が継続も、先行きは悪化一辺倒ではない
2025年11月14日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

