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米雇用環境は改善しているが、ペースアップせず

10月の米国雇用統計:非農業雇用者数は8.0万人増、失業率は9.0%

2011年11月07日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 近藤 智也

サマリー

◆10月の非農業雇用者数は前月差8.0万人増と市場予想には届かなかったが、過去2ヶ月分が10.2万人分も大幅に上方修正された点を考慮すると、雇用者数は堅調に拡大しているといえよう。景気に対する過度な警戒感は後退しているが、改善ペースが加速していない点も事実であり、企業優位の労働市場に大きな変化はみられない。採用に慎重な企業は賃金水準を抑制する姿勢を続けだろう。

◆注目される民間部門は10.4万人増と8~9月の平均13.2万人増から鈍化した。これは、建設業を中心とした生産部門が落ち込んだことを反映しており、民間サービス部門に限ると、7月から10月にかけてほぼ同じペース(月平均12万人)で増加している。

◆10月の失業率は9.0%と前月から0.1%ポイント低下したが、4月以降、9.0~9.2%との狭いレンジで推移しているという方が適切だろう。ただ、8~10月は、就業者の増加がポジティブな要素として寄与し、同じ横ばいでもやや意味合いが異なる。また、経済的理由のパートタイム従業員の減少、解雇等の非自発的離職の減少・自発的離職の増加、長期失業者の減少など雇用環境の改善を示唆する点が多くみられる。

◆しかし、失業率は高止まったまま、雇用者数の増加幅も限定的というのが現実であり、オバマ大統領が就任してから雇用環境全般が改善したとはいえない。大統領選挙まであと一年となったが、再選を目指すオバマ大統領は国内外の厳しい状況に直面している。

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