Fed、現行政策を維持し状況を注視することに
景気の先行きに著しく下ブレリスクは残ったまま
2011年11月04日
サマリー
◆11月1-2日にFOMCが開催され、政策金利を事実上のゼロ金利で据え置く方針を確認した。そして、この異例なほど低い金利水準を少なくとも2013年半ばまで続けるという、8月に導入した方針を維持した。さらに、前回9月に決定した、短期国債を売って長期国債を買うことで保有する国債の平均残存期間を長期化するプログラム(オペレーション・ツイスト)を継続することも決定した。つまり、現行政策を維持して様子をみることにしたのである。◆前回の声明文と比較すると、景気の現状認識では、Q3の成長がやや強まったとして、個人消費の判断を上方修正した。だが、それ以外の項目は前回と同じ。また経済見通しについても、緩やかな成長が続くと想定したうえで、国際金融情勢など“著しいダウンサイドリスクがある”と指摘した点も前回と同じ。全般的に変化に乏しい1ヶ月半だったといえよう。
◆Fedメンバーの景気・インフレ見通しの数字をみると、成長率予想は大幅に下方修正され、失業率の低下は一段と緩慢に。だが、直近を別にすると、インフレ見通しに大きな変化なし。インフレ懸念の後退とともに、デフレ懸念もトーンダウンしたとみられる。引き続き、情勢に応じて追加措置を採るというスタンスだが、見通しから大きく逸脱することがその前提になろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2022年07月01日
2022年5月雇用統計
失業率は4カ月ぶりに上昇するも、均して見れば雇用環境は改善傾向
-
2022年07月01日
2022年6月日銀短観
外部環境悪化と国内経済活動再開が製・非製の業況の明暗を分ける
-
2022年07月01日
ディスクロージャーワーキング・グループ報告(コーポレートガバナンスの開示等)
-
2022年07月01日
内外経済とマーケットの注目点(2022/7/1)
米国の景気後退懸念と中国の経済再開期待が入り交じる可能性も
-
2022年06月30日
検証: レバレッジ型ETFへの長期投資
よく読まれているリサーチレポート
-
2022年05月06日
FOMC 0.50%ptの利上げとQTの開始を決定
少なくとも7月のFOMCまでは毎回0.50%ptの利上げが続く見込み
-
2022年04月21日
日本経済見通し:2022年4月
資源高と「悪い円安」が重石に/日米で異なるインフレの特徴
-
2022年03月22日
日本経済見通し:2022年3月
ウクライナ情勢の緊迫化による日本・主要国経済への影響
-
2022年05月24日
中国:ゼロコロナ政策下の中国経済の行方
年後半は明確に回復も22年は4.5%程度の実質成長にとどまると予想
-
2022年04月22日
景気は良いのか悪いのか