サマリー
◆消費者や企業経営者のマインドは依然として低迷しているが、実際の支出行動や生産活動は底堅く推移しており、最近の悲観的なムードはやや行きすぎかもしれない。9月の新車販売や小売売上など個人消費関連はいずれも予想を上回り、マインド悪化のなかで支出を増やしている。春先までからペースダウンしているものの、民間部門の雇用は着実に増えている。景気後退懸念はとりあえずトーンダウンしたといっていいだろう。
◆Fedは政策余地が限られているなかで、新たな追加措置を実施。長期金利を大幅に下げる意図があり、実際に低下している。ただ、せっかくのメリットを享受するルート上には様々な障害があり、期待される効果を上げられるかは不透明である。一方、大統領選挙まであと一年あまりとなったオバマ大統領は雇用創出に躍起になっている。しかし、打ち出した経済対策の成立は目処が立たず、即効性のある政策が乏しいのが現実である。従って、財政・金融政策の効果にあまり期待できないという状態には変化はなく、2012年の見通しが大きく上ブレするというシナリオは描けない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
米国の雇用統計に一喜一憂は禁物
9月の米国雇用統計:非農業雇用者数は10.3万人増、失業率は9.1%
2011年10月11日
-
Fed、段階的な追加の金融緩和に踏み切る
景気の先行きには、著しく下ブレリスクがあると指摘
2011年09月22日
-
米経済見通し 財政・金融政策への期待
オバマ大統領のこだわりによって、バーナンキ議長の負担が増す
2011年09月20日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
米GDP 前期比年率+2.8%と加速
2024年4-6月期米GDP:内需主導での堅調さを維持
2024年07月26日
-
監査・ガバナンス強化へ回帰する英国
昨年撤回した監査強化方針を復活し、ガバナンス・コードも厳格化へ
2024年07月25日
-
女性がキャリアを築ける職場ほど、子どもを持ちやすい
健保組合ごとの被保険者・被扶養者の出生率と、その要因の多変量解析
2024年07月24日
-
GX経済移行債に期待されるインパクトレポーティング
~GXの理解醸成促進に向けて~『大和総研調査季報』2024年夏季号(Vol.55)掲載
2024年07月24日
-
盛り上がりに欠ける英国の政権交代
2024年07月26日
よく読まれているリサーチレポート
-
「国債買入減額+利上げ」だけで長期金利は2%超えか
シナリオ別に見た日銀の国債買入減額による長期金利への影響試算
2024年06月12日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
第221回日本経済予測(改訂版)
賃上げ・物価高の先にある経済の姿と課題は?①賃上げ効果、②貿易デジタル赤字、③トランプリスク、を検証
2024年06月10日
-
「事業性融資の推進等に関する法律案」概要
事業性に着目した企業価値担保権の創設
2024年05月30日
-
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日
「国債買入減額+利上げ」だけで長期金利は2%超えか
シナリオ別に見た日銀の国債買入減額による長期金利への影響試算
2024年06月12日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第221回日本経済予測(改訂版)
賃上げ・物価高の先にある経済の姿と課題は?①賃上げ効果、②貿易デジタル赤字、③トランプリスク、を検証
2024年06月10日
「事業性融資の推進等に関する法律案」概要
事業性に着目した企業価値担保権の創設
2024年05月30日
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日