サマリー
◆8月9日にFOMCが開催され、政策金利を事実上のゼロ金利で据え置く方針を確認した。さらに、この異例なほど低い金利水準を、従来の“長期にわたって”続けるから“少なくとも2013年半ばまで”に表現を変更。前者が半年未満の期間を担保していたのに比べると、今後約2年先までと具体的な期間を明記したことになる。
◆声明文では、“これまでの成長は想定したよりもかなり遅い”と景気の現状認識を下方修正したうえで、先行きも“回復ペースが予想よりもやや遅くなる”とスローダウンを示唆。様々な一時的要因の影響は小さいというニュアンスも強調している。さらには、“見通しのダウンサイドリスクが増している”とも言及。Fedが景気に対する認識・見通しを大きく下方修正しているように、足もとの米国景気の減速感は強まっており、6月末で終了したQE2に続く追加策に対する期待は高い。だが、デフレリスクが懸念された2010年とは異なり、足もとのインフレは上昇、先行きは落ち着くという想定になっている。
◆今回の変更は、6月に議論された出口戦略の先送りとして小さな変化かもしれないが、打つ手が限られている現状では、Fedの精一杯の対応といえよう。なお、「現在のところ、2013年半ば」という書き方であり、柔軟に変更される余地があるとも解釈できる。
◆声明文では、“これまでの成長は想定したよりもかなり遅い”と景気の現状認識を下方修正したうえで、先行きも“回復ペースが予想よりもやや遅くなる”とスローダウンを示唆。様々な一時的要因の影響は小さいというニュアンスも強調している。さらには、“見通しのダウンサイドリスクが増している”とも言及。Fedが景気に対する認識・見通しを大きく下方修正しているように、足もとの米国景気の減速感は強まっており、6月末で終了したQE2に続く追加策に対する期待は高い。だが、デフレリスクが懸念された2010年とは異なり、足もとのインフレは上昇、先行きは落ち着くという想定になっている。
◆今回の変更は、6月に議論された出口戦略の先送りとして小さな変化かもしれないが、打つ手が限られている現状では、Fedの精一杯の対応といえよう。なお、「現在のところ、2013年半ば」という書き方であり、柔軟に変更される余地があるとも解釈できる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
非農業部門雇用者数は前月差+2.2万人
2025年8月米雇用統計:雇用環境の悪化が継続し、利下げが近づく
2025年09月08日
-
米国経済見通し 景気下振れの懸念強まる
雇用環境が悪化傾向を示す中、屋台骨の個人消費は楽観しづらい
2025年08月22日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日